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LC/MS/MSによる タンパク発現差異の多検体一斉定量
Tandem Mass Tag Technology
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タンパク発現や翻訳後修飾での変化は生物学的調節や疾病における主要なメカニズムです。質量分析(MS; Mass Spectrometry)機器やバイオインフォマティックス技術の進歩に加え、未標識法, 代謝標識法(SILAC), ケミカルタグ法などの定量法の進歩により、試料内の数百〜数千ものタンパク質の同定や定量解析も可能になりました1-2。アイソバリック・ケミカルタグ法はタンデム質量分析(MS/MS)を用いて複数試料間(異なる状態間や経時変化)でのタンパク質の同定と一斉定量を可能にする強力なツールです。

Structural design of a tandem mass tag. 図1. タンデムマスタグの構造
Mass Reporter:リポーターイオン部分は異なる質量をもち、各標識試料に特異的な相対量がMS/MSで示されます。Cleavable linker: 典型的なMS/MS条件下で優先的に分解し、mass reporterを解離します。Mass normalizer: 使用されるTMTセットの各タグの全体質量が同一となるよう、質量バランスをとります。Reactive group:アミン特異的で高い反応効率が得られるNHSエステルです。

アイソバリック・タグは同一構造を持つ低分子標識であり、ペプチドやタンパク質のリシン側鎖やアミノ末端の1級アミンと共有結合して試料に含まれる様々なペプチドを同位体標識します(図1)。MS/MS解析の間に各アイソバリック・タグは各自のリポーターイオンを解離させ、特徴的な質量サインを発生させて相対定量を可能にします。各アイソバリック・タグの構造は同一であり、液体クロマトグラフィ特性やペプチドイオン質量では互いに見分けは付きませんが、MS/MSでのフラグメントイオン発生の際に優先的にリポーターイオンが解離します。この低分子リポーターイオンに含まれる同位体の数が各々異なるため解離後は判別可能な独自の質量サインを発生させます。このサインはMS/MSスペクトル上で特徴的な等間隔のピークで現れ、このピーク強度比から標識されていたペプチドの存在比、つまりタンパク質の相対定量が可能になります。

特徴
  • MS/MSスペクトルの低質量域に特徴的なパターンを示すリポーターイオンを解離
  • タンパク質の種類を選ばない1級アミンを介したアイソバリック・タグ標識
  • NHSエステルによる1級アミン特異的かつ反応収率98%以上の堅実で一貫した共有結合
  • 1回の実験で最大6状態間のタンパク発現プロファイルが可能(TMTsixplex Set使用)
  • 数百〜数千もの発現タンパク質の一斉解析(相対定量)も可能
  • LTQ XLTMや LTQ OrbitrapTM XL (図3-5)等のThermo Scientific LC/MS/MSプラットホームと対応するDiscovererTM 1.0ソフトウェア (* 機器・ソフトウェアは別売りです)
用途
  • 細胞・組織・体液など複数試料のタンパク質の同定・定量
  • 正常vs疾病や標準vs処理などのタンパク発現プロファイリング
  • 薬剤投与や刺激による経時的なタンパク発現量の変化の定量的解析
  • 抗体が利用できないタンパク質の定量的解析
  • 膜タンパク質や翻訳後修飾タンパク質への効率的な標識
Tandem Mass Tags (TMT)と呼ばれるアイソバリック・タグ製品シリーズを紹介します。これらのタグは迅速かつ費用効果の高いハイスループットなタンパク定量法のために特別にデザインされています。タグはTMTzero, TMTduplex セット, TMTsixplex セット (図6)から構成され、TMT0 タグはペプチドの同定やリポーターイオンの検出を(高価な同位体標識タグを使用せずに)行うための、試料の調整・標識・分離・分解における最適化での使用を主な目的としています。TMT2 セットは2試料間(標準試料vs試験試料など)での小規模な研究を目的に、TMT6 セットは経時変化や投与応答など2試料以上の複数試料間での比較を要する大規模な研究を目的としています。それぞれのタグは実験ごとに標識条件やHPLC分離条件を変えたりする必要がないように全く同じ化学構造と分子量で構成されています。(MS/MSで解離するリポーターイオン部分の質量数のみが異なります。) TMT試薬は試薬セットまたは必要な試薬や標準を含む最適化済みキットで供給されます。さらにThermo Scientific LTQ Orbitrap, LTQ XL, TSQ Quantumなどの質量分析計やソフトウェアと組み合わせることで、完全統合されたシステムとなります。

References
  1. Thompson, A., et al.(2003). Tandem mass tags: a novel quantification strategy for comparative analysis of complex protein mixtures by MS/MS. Anal. Chem.75(8), 1895-1904.
  2. Dayon, L., et al.(2008). Relative quantification of proteins in human cerebrospinal fluids by MS/MS using 6-plex isobaric tags. Anal. Chem. 80(8), 2921 -2931.
関連製品
SILAC Protein Quantitation Kits
Glycoprotein Isolation Kits
Phosphopeptide Isolation Kit
Ubiquitin Enrichment Kit
Halt Protease Inhibitor Cocktail
Halt Phosphatase Inhibitor Cocktail

関連資料
2D/Mass Spectrometry Handbook
TMT Isobaric Mass Tagging Kit Picture

 :取扱説明書   :MSDS(英語版)
Cat # 製  品  名 Pkg. Size
90063 TMTduplex Isobaric Mass Tagging Kit
TMTduplex Label Reagent Set ( #90065)
TMTzero Label Reagent ( #90067)
Dissolution Buffer 5 ml
Denaturing Reagent 1 ml
Reducing Reagent 1 ml
Iodoacetamide 12 vials x 9 mg
Quenching Reagent 1 ml
Trypsin 2 x 20 ug
Trypsin Storage Solution 250 ul
Albumin, Bovine 2.5 mg
Kit
90064 TMTsixplex Isobaric Mass Tagging Kit
TMTsixplex Label Reagent Set ( #90066)
TMTzero Label Reagent (#90067)
Dissolution Buffer 5 ml
Denaturing Reagent 1 ml
Reducing Reagent 1 ml
Iodoacetamide 12 vials x 9 mg
Quenching Reagent 1 ml
Trypsin 2 x 20 ug
Trypsin Storage Solution 250 ul
Albumin, Bovine 2.5 mg
Kit
90065 TMTduplex Label Reagent Set
TMT2-126 Label Reagent 5 vials
TMT2-127 Label Reagent 5 vials
Kit
90066 TMTsixplex Label Reagent Set
TMT6-126 Label Reagent 5 vials
TMT6-127 Label Reagent 5 vials
TMT6-128 Label Reagent 5 vials
TMT6-129 Label Reagent 5 vials
TMT6-130 Label Reagent 5 vials
TMT6-131 Label Reagent 5 vials
Kit
90067 TMTzero Label Reagent
TMT0-126 Label Reagent 5 vials
Kit

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