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質量分析グレードのプロテアーゼによる 配列占有率の向上
Mass Spec grade Endo-proteases

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質量分析によるタンパク質の解析や同定はペプチドフラグメントの作成、つまりタンパク質のプロテアーゼによる消化から始まります。トリプシンは最も頻繁に使用されるプロテアーゼですが、トリプシンとは異なる消化開裂部位を持つプロテアーゼを併用することで、(配列が重複した)フラグメントを作成(表1)、ペプチド配列占有率(Sequence Coverage)が改善されます。例えばリシンC末端側でタンパク質を開裂させるLysCは、(リシンおよびアルギニンのC末端側で開裂させる)トリプシンよりも長いペプチドフラグメントを作成します。キモトリプシンは疎水性残基のC末端側で切断、トリプシンに相補的なペプチドフラグメントを提供します。これらの長いフラグメントや疎水的なフラグメントは逆相系のトラップやカラムに強く結合するため、リン酸化やグリコシル化のような親水的修飾を受けたペプチドの検出も改善されます。配列占有率の改善はペプチドフラグメントのクロマトグラフィでの分離特性やイオン化特性の改善により行われます。高質量分解能の質量分析計における多価イオン状態は、より長いペプチドフラグメントの質量を正確に測定することでデータベースでのサーチ時間を短縮して配列占有率や精度を高めるとされています。電子移動解離 (ETD; Electron Transfer Dissociation)のような新しい分解技術では側鎖の修飾が外れずに多価陽イオンが作成され、リン酸化などの翻訳後修飾を無傷で残し、長いペプチドフラグメントを効果的に分解します。

表1. 各プロテアーゼの開裂サイト
プロテアーゼ 開裂特異性
Trypsin リシンおよびアルギニンのカルボキシル基側
LysC リシンのカルボキシル基側
GluC グルタミン酸のカルボキシル基側
AspN アスパラギン酸のアミノ基側
Chymotrypsin チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ロイシンのカルボシキシル基側
* 消化バッファーの条件によって、開裂特異性が異なることがあります
特徴
  • 複数プロテアーゼを個々に使用した細胞ライゼートのゲル内消化による、ペプチドやタンパク質の配列同定数と精度の改善
  • 衝突誘起解離および電子移動解離によるリン酸化やグリコシル化などの特異的な翻訳後修飾(PTM; post-translational modifications)の提示
  • 複数のプロテアーゼや解離法の相補的な組み合わせで定量的かつ高精度の配列同定が可能
    *例えば、Erk1のトリプシン消化とCIDでは87%の配列占有率を示すがLysCの結果を組み合わせることで全体の配列占有率は93%まで上昇します(表2)
複数プロテーゼと解離法の組み合わせによる配列占有率や精度の改善

Sequence Coverage (%)
  CID ETD
Trypsin 87 51
LysC 45 52
GluC 47 43
Trypsin alone + LysC alone 93 74
Trypsin alone + GluC alone 93 71
表2.Erk1の配列占有率(%)
個々のプロテアーゼを使用した消化、CIDまたはETDによる解離によるMS/MS分析、サーチ結果のProteome Discoverer MultiConsensus Reports上での統合により得られたErk1の結果

 :取扱説明書   :MSDS(英語版)
Cat # 製  品  名 Pkg. Size
90051 Lys-C Endoproteinase, MS Gradet 1 x 20ug
90053 Asp-N Endoproteinase, MS Grade 2 ug
90054 Glu-C Endoproteinase, MS Grade 5 x 10ug
90055 Trypsin Endoproteinase, modified, TPCK treated
MS Grade
5 x 20ug
90056 Chymotrypsin Endoproteinase, TLCK treated, MS Grade 4 x 25ug

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