


架橋試薬(クロスリンカー)はタンパク構造/機能の解析に長年にわたり使用され、今日までに発表された研究ではPIERCE社の架橋試薬は常に重要な役割を果たしてきました。この実証済みの架橋試薬の利用法と近年の質量分析(MS)の高い分析能力とが結びつき、タンパクの高次構造解析や複合体形成1の探索における新しい研究ストラテジーが急速に台頭しています。この方法論のポテンシャルを、さらに飛躍的に高めるため「d4(重水素)クロスリンカー」と「d0(軽水素)・クロスリンカー」の安定同位体置換によるアナログ試薬ペアがサーモフィッシャーサイエンティフィック ピアスブランドから発表されました。分子内/分子間相互作用のMS研究用のBS2GとBS3の各アナログは、タンパク架橋をリードするサーモフィッシャーサイエンティフィック ピアスブランドが調製し、MS分析用として充分な分析・評価による高品質が保証されています。
各製品でLOT毎に定量的NMRによる(非加水分解物としての)純度評価、純水への溶解度試験、ESI-ION
Trap MSによるm/z値の測定(理論値と実測値とのズレ)を行い分析表に記載しています。
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General Protocol for Tertiary
Structure and
Protein Interaction Applications

Adapted from Sinz, A. (2003). J. Am. Soc. Mass Spectrom. 38, 1225-1237
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重水素(d4)クロスリンカーと軽水素(d0)クロスリンカーにより、それぞれ同じ反応条件で架橋されたタンパク質は別々に酵素消化され、架橋ペプチドと未架橋の消化ペプチドを含む試料は1:1で混合された後、MS分析に供されます。これはMS分析では一般的に定量性の低さや測定間でのシグナル強度の差による影響が無視できないためとされます。d4/d0による架橋ペプチドの質量の差(4ユニット)によるシグナル強度の等しい二重線が、架橋ペプチド由来のシグナルとしてスクリーニングされますが、この場合d4/d0クロスリンカーで別々に行った反応の収率が均一であることが求められます。MS分析アプリケーション用グレードの架橋試薬は(スペーサーアーム内の)重水素原子導入数の違いの他には、構造的には同一であり反応条件(濃度,
反応pH, 反応温度, 反応時間など)が完全に均一であれば架橋効率や架橋部位もほぼ均一となることが予想され、酵素消化産物が量的に一致すればMSパターンでのシグナル比も均一になります。このため、使用されるd4/d0クロスリンカー間の反応収率が均一である必要性があり、MS分析アプリケーション用グレードとして製品の分析・評価が必要になります。
従来製品のBS3(#21580)は、MS分析アプリケーション用のBS3-d0(#21590)に代替できません。 |
このMS分析アプリケーション用に特別に調製された試薬は、BS2GとBS3のd0(Dを含まない)およびd4(Dを4原子含む)のアナログです。これらは、アミン反応性基を両端(homobifunctional)に含む、非開裂(non-cleavable)型、水溶性試薬で、スペーサーアーム長が限定されています。
これらの試薬は、タンパク構造/機能の研究における、空間的な配置を推測する分子「定規」として機能します。軽水素型アナログ
(BS2G-d0 および BS3-d0) と重水素型アナログ (BS2G-d4 および BS3-d4) は、pH 7-9で高い反応効率で1級アミン(-NH2)と反応して、安定したアミド結合を形成します。タンパク質は一般的に幾つかの1級アミンを各ペプチド鎖のリシン(Lys,
K)側鎖またはN末端に含むため、この1級アミンがSulfo-NHSエステルとの反応に利用できます。これらの試薬はナトリウム塩として供給され、10mM以下の濃度で精製水に溶解が出来ます。
| 安定同位体(d4)クロスリンカーとは? |
d4クロスリンカーがMS分析で重要な理由 |
- クロスリンカーの重水素置換アナログ体で、炭化水素スペーサーアーム内に含まれる特定位置のメチレン基の水素(H)原子がD(重水素)へ置換されています。
- それぞれの試薬でスペーサーアームの2箇所でメチレン炭素上の
-CH2- から -CD2- への変換が行われています。
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- MS分析でのペプチド質量4ユニットの
違いにより、不明瞭さの無い架橋産物の同定が可能になります。
- スペーサーアーム長は架橋されるペプチド間の距離に合わせて、選択も可能です。
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重水素置換(dn)/ 軽水素(d0)クロスリンカー ペアーとMS分析について
重水素(-dn) および軽水素(-d0) クロスリンカーは同時に目的タンパクやタンパク複合体に反応させます。クロスリンカー内の不連続な位置に導入されている重水素は、タンパク架橋とタンパク標識を同時に行います。このアプリケーションでd4/d0クロスリンカーをペアーで使用することで、カップリング反応で生じるペプチドのMSによる同定が容易になります。化学構造中の重水素原子数だけが異なる、全く同一の2つのクロスリンカーを1:1の比率で使用することで、微量に存在する個々の架橋ペプチドのMS分析での強力な識別タグとなります。ここで紹介する試薬は、架橋タンパクやタンパク複合体の限定酵素消化後の、架橋ペプチドのMSパターンにおいて質量4の違いを生じます。反応産物をさらに分析することにより、簡単な立体構造情報を得ることもできます。相互作用しているタンパク複合体の分子間架橋とMS分析は、タンパク複合体での結合パートナーの接触面の決定2-6にも応用され、成功しています。
| 特 徴 |
利 点 |
- 充分に評価された高純度の重水素ラベルされたクロスリンカーとそのアナログ
- 取扱説明書は構造解析と相互作用検出のアプリケーションに特化
- 2種類のスペーサーアーム長による分子間および分子内の距離を研究する分子「定規」としての用途
- 分析にはugレベルのタンパクで充分
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- 構造/機能解析のためのMS分析法による研究ストラテジーのため特別に調製・分析された試薬
- スペーサーアーム長は架橋されるペプチド間の距離に合わせて、選択も可能です。
- 1種類の試薬では得ることのできない構造情報を2種類の試薬を用いて測定することが可能
- 大量のタンパク試料や特別な溶媒や結晶形成を必要とするNMRやX線分析の代替として
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参考文献 |
| Cat # |
製 品 名 |
Pkg. Size |
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| 21590 |
BS3-d0
(Bis[Sulfosuccinimidyl] suberate-d0) |
Kit |
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| 21595 |
BS3-d4
(Bis[Sulfosuccinimidyl] 2,2,7,7-suberate-d4) |
Kit |
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| 21610 |
BS2G-d0
(Bis[Sulfosuccinimidyl] glutarate-d0) |
Kit |
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| 21615 |
BS2G-d4
(Bis[Sulfosuccinimidyl] 2,2,4,4-glutarate-d4) |
Kit |
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| 製品情報は掲載時点のものですので、ご覧いただくタイミングにより製品情報が変更されている場合があります。 |
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