



培養上清や腹水を通過(パス)させて、穏やかな条件(中性pH)で精製
固定化プロテインAやプロテインGを使用した精製では、酸性pHによる溶出が通常行われます。酸性pHの溶出バッファーを使用した場合、抗体がダメージを受ける可能性もあり、また溶出後の中性化や濃縮、またアミンフリーが要求される酵素・蛍光・ビオチンなどの標識反応では透析・ゲル濾過による脱塩/バッファー交換などの操作が一般的に行われます。また、マウスIgG1等のプロテインAへの結合が弱い抗体サブクラスでは回収率での問題も知られています。
抗体へのダメージを回避するには、#21030 や マウスIgG1専用の #21033(26倍の活性維持)などの中性pHと塩濃度による穏やかな結合・溶出システムも選択できますが、中〜長期の保存に関しては精製後のバッファー交換が推奨され、結合・溶出・洗浄などの煩雑な操作も伴います。
アフィニティクロマトグラフィー以外では、硫安・エタノール・カプリル酸(短鎖脂肪酸)・PEGによる沈殿法、DEAEなどのイオン交換クロマトグラフィー法、ハイドロオキシアパタイトなどの吸着クロマトグラフィー法を組み合わせた精製法も知れていますが、得られる純度/回収率や抗体サブクラス/試料タイプでの適合性/最適化の問題もあります。
*参考文献;Page 291-318, Chapter 8, Antibodies,
aboratory Manual, Harlow & Lane, Cold Spring Harbor laboratory
モノクローナル抗体精製用メロンゲルは、10%までのFBS(ウシ胎児血清)を含む細胞培養上清または
#45219 Ascites Conditioning Reagent
により処理した腹水に含まれるモノクローナル抗体以外のタンパク質を保持、夾雑タンパク質を除去します。モノクローナル抗体は中性pHの通過フラクションとして精製されます。
特徴
- Protein A や G による精製に比べて約半分の時間で精製が可能
- Protein A や G による精製に比べて回収率・純度は同等以上
- Protein A や G への結合が確認されていない抗体でも使用が可能
- 中性pH非変性の穏やかな精製条件により抗体活性が最大限に維持
- 5 回までの再生が可能なゲル
- アミンを含まないバッファーを使用、下流の抗体標識反応に直接利用可能
- 様々な試料容量に対応
培養上清: 30mlまでの上清からの精製はスピンカラム法、1Lまでの上清には吸引濾過法が対応
腹水試料: 6 mlまでの精製でスピンカラム法が対応
メロンゲルモノクローナルIgG精製キットとは?
- 煩雑な結合・溶出タイプの抗体精製法から代替法であり、より迅速で容易、かつ穏やかな条件での抗体の回収・精製が可能です
- 従来のプロテインAまたはGによる精製法で得られる抗体と同等、もしくはそれ以上の活性と純度のモノクローナル抗体を得ることが出来ます
- 抗体精製後の修飾や標識といったアプリケーションに直接使用できるReady-to-Useなモノクローナル抗体を得ることが出来ます
- 1Lまでの細胞培養上清(血清含有または血清フリー)または200mlまでの腹水からモノクローナルを精製します
メロンゲルの原理
サーモフィッシャーサイエンティフィック ピアスブランド独自のリガンドコンビネーションにより試料に含まれるIgG以外のタンパク質を保持、結合・溶出タイプの担体で得られる純度に匹敵する精製度のIgGを通過させます。 |
 |
図 1. 10%FBS(ウシ胎児血清)を含む細胞培養上清からの
メロンゲル と プロテインGによる抗体精製の比較
精製された抗体を SDS-PAGE 分析と Imperial Protein Stain (#24615) による染色に供した。 Lane 1: 細胞培養上清試料
(original) Lane 2: 飽和硫酸アンモニウム溶液により沈殿・再溶解した試料
(#45216) Lane 3: メロンゲルにより精製した試料
Lanes 4-6: プロテインGから溶出したIgG注)L4, 5ではアルブミンの夾雑が見られる |
 |
図 2. 腹水からのメロンゲル と プロテインGによる
IgG1 精製の比較
精製後のIgG を SDS-PAGE による分析と GelCode Blue Stain Reagent (#24590) による染色に供した。 Lane 1: 未処理の腹水試料(original)
Lane 2: #45219 Ascites Conditioning Reagent
により前処理を行い、メロンゲルにより精製した腹水試料
Lane 3: プロテインGカラムの通過フラクション(flow-through)
Lanes 4-5: プロテインGカラムの洗浄フラクション
Lanes 6-8: プロテインGカラムからの溶出フラクション注)
プロテインGによる精製試料 (Lanes 6-8) ではトランスフェリンの夾雑が見られる。#45219
Ascites Conditioning Reagentにより前処理されメロンゲルにより精製された試料では、このトランスフェリンの夾雑は見られない。 |
| 製品 |
メロンゲル精製キット |
固定化 Protein A または G カラム |
| 操作 |
1 バッファー交換 |
1 結合バッファーにより試料を希釈 |
| 2 モノクローナル抗体を含む上清をメロンゲルに添加 |
2 Pour and カラムの平衡化 |
| 3 5分間 インキュベーション |
3 モノクローナル抗体を含む溶液をレジンに添加 |
| 4 吸引濾過によりメロンゲルから精製IgGを分離 |
4 カラム容量の 10 〜 20 倍量のバッファーで洗浄 |
| |
5 カラム容量の3倍量(最少量)のバファーで溶出 |
| |
6 モノクローナル抗体を含む試料の中性化 |
| 時間 |
2.1 時間 |
4 時間 (透析操作を含まず) |
 |
図 3. メロンゲル担体とプロテインGによる精製での回収率の比較
10%のFBS(ウシ胎児血清)を含む細胞培養液体培地で産生された抗体の回収率をメロンゲル担体と固定化プロテインGを使用したanti-KLH
IgG3 抗体の精製により決定した。回収された抗体は固定化KLHプレートに添加され、HRP標識
goat anti-mouse 抗体 (#31430) とUltra TMB-ELISA
発色基質 (# 34028) がプレートに結合した抗体の検出に使用し、450nmでの吸収を比較した。血清フリー液体培地と腹水で産生された抗体の回収率に関しても同様に測定を行い、プロテインGで得られた回収率と同等もしくは優れた結果が得られた。
|
モノクローナル IgG 精製での製品の組み合わせ
一般的なソースからのモノクローナル抗体精製に必要な製品またはオプションを下記に示す。
| ソース |
必要なキット |
オプション |
必須 |
| 細胞培養上清 |
#45214 メロンゲルモノクローナルIgG精製キット |
#45216
飽和硫酸アンモニウム溶液, 1L |
|
| 腹水 |
#45214 メロンゲルモノクローナルIgG精製キット |
|
#45219
腹水コンディショニング試薬, 5 ml |
*血清からのポリクローナル抗体の精製には
#45212/#45206 Melon Gel IgG Purification
Kit を推奨します。
US patent pending on Melon Gel Monoclonal
IgG Purification Technology. |
:取扱説明書 :MSDS(英語版) |
| Cat # |
製 品 名 |
Pkg. Size |
|
| 45214 |
Melon Gel Monoclonal IgG Purification Kit
| 1L の細胞培養上清 または 200 ml の腹水 からのIgG精製に充分な試薬類が含まれる |
| Melon Gel IgG Purification Support |
200 ml settled gel |
| Melon Gel Purification Buffer |
100X, dry mix |
| Melon Gel Regenerant |
5X, dry mix |
| 注)腹水からのモノクローナル抗体の精製には
#45219 Ascites Conditioning Reagent による前処理が必要となります。 |
|
Kit |
 |
| 45216 |
Saturated Ammonium Sulfate Solution
| メロンゲルIgG精製キットによる精製や一般的なタンパク質沈殿用の塩析に使用可能。
|
|
1 L |
 |
| 45219 |
Ascites Conditioning Reagent
| メロンゲルモノクローナル抗体精製キットでの腹水からの精製時に使用。使用に関しては#45214メロンゲルモノクローナル抗体精製キットの取扱説明書を参照。 |
|
5 ml |
 |

| 製品情報は掲載時点のものですので、ご覧いただくタイミングにより製品情報が変更されている場合があります。 |
|