通常、タンパク質は様々な細胞内コンパートメントや細胞外マトリックスから抽出されるため、ネイティブな環境の外に存在するタンパク質は不安定であり、抽出後は各タンパク質に特異的な保存条件が要求されることもあります。一般的に、これらの条件が満たされない場合、タンパク質は分解・凝集により速やかに活性を失います。
タンパク質の室温保存では、タンパク質の分解や失活がしばしば生じますが、これは微生物の増殖の結果として生じるものです。短期(数日〜数週間)保存については、多くのタンパク質は4℃で保存可能です。
終濃度0.02-0.05%のアジ化ナトリウムや終濃度0.01%のチメロサール等の防腐剤は、細菌の増殖を抑えるために添加されます。ただし、HRP標識物にアジ化ナトリウムを使用するのは活性が低下するため避けて下さい。
より安定に長期保存するにはタンパク質を‐20℃〜‐80℃で凍結して下さい。またタンパク質の安定性が低下するので凍結溶解の繰り返しは避け、小分けにして保存するのが良いでしょう。
終濃度25〜50%のグリセロールやエチレングリコール等の凍結保護剤の添加は、‐20℃での氷結晶の形成によるタンパク質の構造破壊を防ぐ事でタンパク質の安定化を助けます。凍結保護剤添加の利点は、液体状態で‐20℃保存できるため予め小分けしておく必要がなく、その都度分取できることです。
抗体や抗体‐酵素複合体は終濃度50%のグリセロールかエチレングリコール中での‐20℃保存で、1〜2年間は十分な活性を保つことができます。しかし凍結保護剤に含まれる不純物は酵素活性に影響を与えることがあります。
| |
溶液保存 |
凍結保存 |
凍結乾燥 |
| 温度 |
4℃ |
-20℃ |
-20℃〜-80℃
(液体窒素) |
‐ |
典型的な
保存期間 |
1ヶ月 |
1年 |
数年 |
数年 |
| 添加剤 |
防腐剤 |
凍結保護剤 |
なし |
なし |
| 使用回数 |
複数回 |
複数回 |
1回のみ* |
1回のみ** |
* 凍結溶解を何回も繰り返すとタンパク質は分解する
** 凍結乾燥は複数回行うには不向きである |
タンパク質の保存について一般的に考えられること
タンパク質の室温保存では、タンパク質の分解や失活がしばしば生じますが、これは通常微生物の増殖により引き起こされます。短期間の保存(例えば1日から2,3週間)については、多くのタンパク質は4℃で保存可能です。終濃度0.02-0.05%のアジ化ナトリウム(NaN3)や終濃度0.01%のチメロサールのような防腐剤は、細菌の増殖を抑えるために加えられます。ペルオキシダーゼ標識物にNaN3を使用するのは避けたほうが良いでしょう。
より安定に長期間保存するにはタンパク質を‐20〜‐80℃で凍結して下さい。またタンパク質の安定性が低下するので凍結溶解の繰り返しは避けて、小分けにして保存するのが良いでしょう。
終濃度25〜50%としたグリセロールやエチレングリコールのような凍結保護剤の添加は、‐20℃での氷結晶の形成によるタンパク質の構造破壊を防ぐことでタンパク質の安定化を助けます。凍結保護剤による利点は、液体状態で‐20℃保存できるため予め一定量を小分けしておく必要はなく、その都度必要な分だけ分取できることです。
抗体や抗体‐酵素複合体は終濃度50%のグリセロールかエチレングリコール中で‐20℃保存することで、1〜2年間は十分な活性を保つことができます。しかし凍結保護剤に含まれる不純物は酵素活性に影響を与えることがあります。ピアス社は製造工程でこの不純物を除去した、酵素保存に最適なエチレングリコール(#29810)を提供します。エチレングリコールは微生物の増殖を促進しないため、グリセロールよりも保存に適しています。
SuperFreeze Peroxidase Conjugate Stabilizer(#31503)とGuardian Peroxidase Conjugate Stabilizer(#37548)は、HRPの保存のために緩衝された不凍条件を与える凍結保護剤カクテルです。ペルオキシダーゼ複合体安定化剤は、グリセロールやエチレングリコールの代替になり、‐20℃で安定的な液体保存を保証しながら、ペルオキシダーゼ複合体の凍結保存を可能にします。Guardian
Peroxidase Conjugate Stabilizerは希釈された状態(10ng/mlほどの濃度)でペルオキシダーゼ複合体の、室温または4℃での保存を可能にします。ELISAやウェスタンブロッティングの反応希釈液は4℃で12ヶ月、室温では6ヶ月まで安定に保存可能です。
タンパク質の濃度
1mg/mlより低濃度へのタンパク質溶液の希釈は、失活や容器への吸着による損失の可能性があります。従って、より濃縮された状態でタンパク質を保存するのがベストです。しかし、精製BSA(終濃度10-15mg/ml)等のタンパク質をキャリアとしてタンパク質の希釈溶液に添加することにより分解や損失から守ることができます。
添加物
凍結保護剤と防腐剤は別にして、様々な化合物が保存期間の延長のためにタンパク質溶液に添加されます。通常使用される添加物にはPMSFやロイペプチンのようなプロテアーゼ阻害剤、EDTAのような金属キレート剤、DTTのような還元剤を含んでいます。これらの化合物の添加はそれぞれのタンパク質に特有であり、タンパク質の性質に大きく依存します。
PIERCE社製品ラインナップから提供可能なタンパク質の保存剤
#37548 Guardian Peroxidase Conjugate Stabilizer, 200ml
#37552 Guardian Peroxidase Conjugate Stabilizer, 1Liter
10ng/mlまでのHRP標識物の希釈液を4℃(12ヶ月)または室温(6ヶ月)で安定保存
#31503 SuperFreeze Peroxidase Conjugate Stabilizer, 25ml
酵素標識した抗体やタンパク質の保存用、-20℃での凍結・微生物の増殖を阻害
#29810 Ethylenglycol 50% Aqueous Solution, 200ml
アルデヒド、過酸化物、イオン、UV吸収性の炭化水素を除去・精製したエチレングリコール
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