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タンパク質・ペプチドの溶解
水溶液への溶解
タンパク質溶解の因子としては、pH・イオン強度・温度などが挙げられます。タンパク質を構成するアミノ酸には親水性残基と疎水性残基があり、溶液中のタンパク質の分子表面には親水性残基が露出しています。各アミノ酸の電荷は等電点においては全体としてゼロになり、この性質を利用して等電点沈殿が行われます。電荷がゼロになる事で、静電的な反発もゼロになり、ファンデルワールス力による凝集が生じるためです。
 pHが等電点からズレている場合タンパク質は必ず全体電荷を持つので、(溶液中のタンパク質が1種類の場合)全ての分子は正か負に帯電して反発します。限られた空間に互いに反発する分子が存在する場合、安定に存在できる分子数は制限を受け、これを超える分子は溶液外に押し出される(沈殿する)ことになります。
 溶液に塩を適度に加えることで、イオン強度が増し静電的斥力が遮蔽されるので、溶解度を増すことが出来ます。これが塩溶です。逆に塩が大量に添加された場合、遮蔽された反発力がファンデルワールス力による引力を下回り凝集が生じます。これが硫安などによる塩析です。


ペプチドの溶解
キャリアプロテインにペプチドをコンジュゲートする際、ペプチドの水溶性やDMSOへのキャリアの耐性が問題となることがよくあります。ペプチドの親水性が高く使用するDMSOの濃度が低ければ(サーモフィッシャーサイエンティフィック製品での推奨はコンジュゲート時の終濃度で30%程度)、問題はありませんが、疎水性のペプチドでは高濃度DMSOによるキャリアの変性が生じる場合もあります。ペプチドの水溶性が判っていない場合は一般的に以下の手順で行います
  1. 脱イオン水で溶かす
  2. 溶けなければ極性により酸(0.1% TFA)やアルカリ(0.1% アンモニア)を添加
  3. 溶けなければ、カオトロピックイオン(1-6Mグアニジン、尿素等)を添加
  4. 透析し共存物質を除去、凍結乾燥してからDMSO/DMFで再溶解
各タンパク質溶液へのDMSO添加濃度と耐性
BSA溶液:〜35%で溶解性を維持、40%で白濁、45%で沈殿
KLH溶液:〜50%で溶解性を維持、60%で白濁、67%で沈殿
OVA溶液:〜70%で溶解性を維持、75%で白濁、80%で沈殿

疎水性ペプチドの場合、塩を添加することにより凝集する傾向があります。ペプチドの解(離性基が少なく電荷の反発が少ない上に塩が添加され、斥力が遮蔽され凝集するから?)
また、溶解を低温で行うことで溶解性が改善することもあるようです



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